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Client: She magazine
私とわたしとワタシ「私と夏」vol. 02_01
せっかくの休日なのに、なんたる誤算。
カーテン越しに、窓から差し込む光に起こされる朝。
窓の外を見てみると、昨夜降った雨がコンクリートをしっとりと濡らしていた。
雨は光を吸収して一際輝く。私は誘われるように外に飛び出した。
窓越しに見た世界とはまるで別世界。
まるで蒸し風呂に押し込められているみたい。
けれど、なぜだが足がグングンと前へ進む。
私は、おいていかれないように必死にくらいつく。
誰もいないバス停でベンチに腰掛け、1 人そっと目を閉じた。
小走りで家へ戻る。
家につくなりクローゼットをひっかきまわし、再びバス停へ急ぐ。
そこから当てもなくバスに乗り込んだ。
(なんで私ここにいるんだろう...?夏、嫌いだったじゃん...)
自分の中のもう 1 人の自分に、手を引かれるようにして、歩く。
(ソフトクリームなんて何年ぶりだろう...?)
今日は、私が私じゃないみたい。
海が見えて、足取りが軽くなる。雨の余韻を含んだ、しっとりとした海。
気づけば「ふふふんっ」と小さく口ずさんでいた。